引っ越して半年で実感…鎌倉のえもいわれぬ空気は“市民の努力”が支えている
■「今後は海岸の名称変更せず」
以前から市民からも名称存続の希望が多く、10年経って命名権がなくなった今、鎌倉市は次に売るのはやめて、ついに名称変更しないことを決めた。
建物や施設はともかく、自然の地形にはやはり企業名などは無粋だ。
鎌倉市は「景観法」で、住宅地に家を建てる場合に、自然に溶け込まない色や形は建てられず、塀や垣根に植栽しなければならない。駅前にも15メートル以上のビルは禁止である。
我が国は乱開発により過去の地形を根こそぎ変えてしまった。しかし鎌倉には確実に源頼朝や北条政子が通ったであろう道が残されている。建物が変わっても地形さえ、名称さえ変えなければ歴史は息づく。
この鎌倉のえもいわれぬ空気は、そこに努力した市民の力が支えているのだ。