市川猿翁、香川照之、藤間紫…ドラマを超えた3人の“運命の糸”
憎む相手が味方に変わり
ちなみに、紫さんと前夫とのお子さんは藤間文彦さんで、母親が離婚する前から憎いはずの不倫相手である猿翁さんの事務所社長となって、これも驚きだった。
今であったらダブル不倫というだけでスポンサーは逃げ出す。仕事が激減といったことにもなりそうだが、古き良き時代というか、寛容だったのか、仕事で実績を上げ続けて乗り切った。
生まれた直後から浜木綿子に引き取られて育てられた香川は、歌舞伎の世界とは縁がなく、しかも香川が25歳の時に猿翁に面会に行ったら、「家庭とは決別した」と追い返され、絶縁状態となった。それを紫さんが間に入り、「息子なのだから」と関係を修復させたのだった。
香川と息子の市川團子が澤瀉屋を継いでいけるようになったのも紫さんのおかげというから、禍福は糾える縄のごとしで、思い返すだけで頭の中がグルグル回りそうだ。