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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

ジャニーズ性加害問題でメディアの沈黙を引き起こした“ジャニ担”制度の弊害

公開日: 更新日:

 ジャニー喜多川氏の性加害を増長させた要因の一つに挙げられた「メディアの沈黙」。NHK「クローズアップ現代」でも<ジャニーズが使えなくなったら番組ができなくなる><視聴者獲得のため>とテレビ関係者の話を紹介し、ジャニーズに対しメディアが忖度していたことを認めた。なぜ、忖度が生まれ、長きにわたり続けられてきたのか。

 キーパーソンになるのが通称「ジャニ担」と呼ばれるジャニーズ担当記者(リポーター)の存在である。原則、ジャニーズの話を取材・報道できるのはジャニ担に限られる鉄の掟がある。

「独自のネタでもまずジャニ担に相談。ジャニ担は事務所にお伺いを立て許可を得る。許可なく報じれば、ジャニーズに関する報道が以後、できなくなる。テレビは他の番組にも影響しかねない」(元スポーツ紙記者)

 このシステムを構築したのがジャニー氏の姉、メリー喜多川副社長である。人気アイドルを盾に作り上げた権力でメディアを支配。メリー氏が決めた案件は絶対だった。森且行がオートレースでデビューした際、「元SMAPと入れるな」という理不尽な要請にもメディアは従う。メリー氏の意向は広報担当から副社長にまでなった白波瀬傑氏から伝えられた。7日の会見直前に白波瀬氏は辞任。会見に欠席したのもメディアからの追及を避けるためだったはずだ。

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