本田美奈子.さん没後18年も命日にファン集合 デビューから追うアイドル評論家の聖地巡礼レポ
11月6日は、歌手の本田美奈子.さん(享年38)が、2005年に急逝してから18回目の命日だった。
1985年4月にシングル「殺意のバカンス」で歌手デビュー。可愛らしいルックスで一躍人気となった。86年2月に発売された5thシングル「1986年のマリリン」では、露出度の高い衣装でセクシーなダンスを披露し、アイドルらしからぬ演出で、多くのファンを魅了した。
その後、本田さんは、アイドルにとどまることなく、バンドを結成し、活動の幅を広げていった。アイドル時代から歌のうまさには定評があり、90年以降はミュージカルにも進出。これまでのアイドル像をいい意味で壊して、歌唱力そして演技力のすごさを見せてくれた。
順風満帆に活動していた本田さんだが、2005年1月に突然、体に異変が起こる。急性骨髄性白血病で緊急入院というニュースに、誰もが「ウソだろ!」と思ったことだろう。それでもまた元気な姿で歌ってくれることを信じて、多くの人は本田さんの帰りを待っていた。しかし同年11月6日、本田さんは、永眠してしまった。
あれから18年──。
デビュー当時から彼女をずっと見続けていた私だが、これまで命日の11月6日には、家で本田さんの曲を聴いていた。しかし今年はなぜか本田さんに会いたい気持ちが湧き起こり、彼女の眠る墓前に行ってみることにした。
現場に着くと、ファンや親交のあった方などが集まっていた。私もその輪に入れてもらい、お焼香をさせていただいた。墓前に来ると自然に涙が出てきてしまい、生前の歌っている姿が頭の中でよみがえってくる。その場に長い時間いればいるほど涙が止まらなくなってしまうので、同じ時代を生きた人間として、「自分は元気にしています」という報告をして、その場から去ることにした。短時間だったが、本田さんと共有する時間を与えてくれたことに感謝の気持ちが湧き出てきた。