【追悼】曙太郎(下)仕掛け人が明かす「K-1」に電撃転向した3つの理由と貴乃花への絆
曙のK-1参戦は日本中がひっくり返る大ニュースとなった。師匠の東関親方も相撲協会も「よくも、恥をかかせやがって」と激怒。かつて、テレビ局のスポーツ部に勤務していた人物は、当時の東関親方の様子を次のように見ている。
「高見山っていう人は本当に人格者で、私は今も大好き。でも、このときは本当にむすっとしていたし、つらそうでもあった。あまり人と会いたがらなかった。誰かと会って口を開けば、弟子への悪口になるのがわかっていたからでしょう」
■瞬間最高視聴率43%を記録
角界を去りK-1に参戦した曙は、1カ月半というわずかな準備期間で、大晦日のナゴヤドームのリングに立った。しかし、付け焼き刃で成功するほど甘い業種でもなく、ボブ・サップの右ストレートをまともに食らい1R・KO負け。K-1デビューを飾ることはできなかった。それでも、瞬間最高視聴率43%を記録し、大晦日に放送した民放のテレビ番組の中で史上初めて、NHK紅白歌合戦を抜いたのは、誰あろう、曙の功績以外何ものでもない。