森川葵がエッセー発売「できない自分に納得がいかないタイプなので…だから400回もやっちゃう(笑)」
俳優の森川葵(29)が今月17日にエッセー「じんせいに諦めがつかない」(講談社)を発売した。同書は「小説現代」の連載をまとめたもので、テレビ出演の合間に毎月2000字というヘビーな執筆をこなしていたという。「文章は私の気持ちを伝える手段。本を手に取ってくれた方の意見が聞けるのが楽しみ」と語る彼女を直撃した。
――原稿はどこで執筆を?
「最初は家でパソコンに向かって『よし書くぞ』って書いていましたが、徐々に慣れてきたら、思いついたときにスマホで書いていました。私、話すと主語が飛んでしまったり伝えるのが上手じゃないんですけど、手紙だときちんと伝えられるので文章を書くのは表現手段として好きです。執筆スキルがあるわけではないので、今回はとにかく、どんな方が読んでも伝わるように書きました」
――20代最後の年だが、20代はどんな年だった?
「仕事とプライベートの時間をバランスよく過ごせているかなと思います。コロナで仕事がなくなって、休むことの大切さを知ることができましたし。それまで走り続けてきたので、休んでもいいんだ、悪くない、って知ることができたのも大きかったですね」
――そのコロナ禍に「それって!?実際どうなの課」(日本テレビ系)で、アーチェリー、テーブルクロス引き、ビリヤードなどを数時間でマスターしてしまう姿が話題に。
「たまたまみなさんが家にいて、家族でテレビを見るという状況で、私のコーナーを見ていただけて」
――プロが何十年かけて体得したワザをどうやってマスターできるのか?
「できない自分に納得がいかないタイプなので(笑)、自分にムカついてしまう。やるしかないんです。何百回もやれば
できます! だから400回もやっちゃう(笑)」
――では、ドラマの現場のコツは?
「ドラマは一日が長いので体力温存です。バラエティーのチャレンジものは終わりも自分次第なので結果を出すことに集中すればいいですが、ドラマは終日予定がきっちり詰まってますから、スタートダッシュしてしまうと後が大変です。あとは、コミュニケーションをとりたいタイプなので、いろんな人に話しかけたりしますけど……人を観察というか、見ちゃいます」
――俳優の仕事が楽しい瞬間は?
「この前、『街並み照らすヤツら』(日本テレビ系)の撮影で、いいシーンに参加した、って思う瞬間がありました。裁判のシーンから空想に入るところが台本を読んでもどうなるかわからなかったのですが、編集されたら、すごく美しいシーンになりました。台本という2次元から感情を揺さぶるシーンになるまでに関わったことに充実感を感じました」
――休日はどう過ごしている?
「地元の愛知から上京している同級生と会ったり……。居酒屋さんも好きですね。1杯目は必ずビール。ビールが運ばれてきて、ワッと飲んで、『ハ~ッ』って言う、一連の流れが好きです。ネコのように、自分を追い込みすぎないように生きていきたいですね。楽しいことが一番!」
――新著のPRを。
「各テーマの最後の3行から5行に私の伝えたいことが詰まっています。とはいっても、答えは出していません。この本をきっかけにみなさんなりの何かを考えていただけたらと思います。そして私に“私はこう思った”とご意見を聞かせていただけたらうれしいです」
(聞き手=岩渕景子/日刊ゲンダイ)