日本のテレビもインバウンドばかり“貧すれば鈍す”…制作費ケチり近場で安上がりな番組作り
先日、新宿・伊勢丹の前を通ったらエルメスに長い行列ができていた。セールでもやっているのかと思ったが、ショッピングに来た訪日外国人たちの列だった。彼らにしてみれば円安で日本中がバーゲン会場のようなものだから行列もできるかという感じか。
テレビ東京系の「YOUは何しに日本へ?」以降、訪日外国人に日本のいいところを聞く番組がやたらと増えた。
一方で、「世界ふしぎ発見!」が終了して3カ月が経つが、紀行番組を除けば、世界の情報を発信する番組が減った。バラエティーでも以前は海外の旅番組も多かったが、最近はめったにお目にかからない。せいぜい行って韓国や台湾あたり。円安の影響だろうがそういう時だからこそ率先して海外を取材、世界の今を報じるのがメディアの役割ではないか。
26日の「世界くらべてみたら×それって実際どうなの会★グアムドンキ&一攫千金SP」(TBS系)でグアムに初出店する「ドン・キホーテ」に密着していたが、日本で150円ほどのフルーツゼリーがあちらでは300円と倍近い。サウジアラビアでは贈答品の定番ヨックモックの詰め合わせが日本では3500円なのに、1万7200円というから驚いた。
「世界の偏見を体当たりで大調査!」の企画では「イギリスの料理がマズイというのは本当か?」を調査。舞台「千と千尋の神隠し」のイギリス公演に出演中の上白石萌音が現地調査し、イギリス人が愛するジャムドーナツを食べていたが、これも日本ならせいぜい300円しないようなものが780円。しかもそのお味は「強烈です。脳天が開く味」とのこと。「ジャムがスーパー甘い」というから、日本人の口には合わなそうだ。そもそもおいしいものとしてジャムドーナツが出てくるあたり、イギリスにうまいものなしを証明しているようなものだが……。