総裁選メディアジャック→解散総選挙→政権維持…裏金自民のシナリオに加担するテレビ局の罪
■法を守らない集団の「次のボス探し」はヤクザの跡目争いと同じ
ネット上で《ポンコツ候補が乱立した都知事選の再来か?》と冷ややかな声も上がる中、TVメディアは〈自民党総裁選10人超の名前挙がる 推薦人確保へ争奪戦過熱も〉(NHK)などと熱心に報じているのだが、政権与党とはいえ、なぜ、“コップの中の争い”をこれほどまでに詳報する必要があるのか。
ニュースとして取り上げるのであれば、名前の挙がっている議員に対し、仮に総裁に就いた場合、「裏金事件に関わった議員にどう責任を取らせるのか」「旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)との関係をどう見直すのか」「10年余りのアベノミクスでボロボロになった金融システムをどう再構築するのか」についての考えなどを取材してから報じても遅くはないだろう。
今のように単に名前を列挙するのであれば、青木氏が懸念を示していた通り、まさに自民党の「思う壺」。総裁選でメディアジャックし、新総裁誕生のご祝儀相場のまま解散・総選挙に突入、めでたく政権維持――という自民党のシナリオにメディアが加担することになるわけで、党の宣伝・広報と変わらないではないか。