奈緒の演技の土台は“人のよさ” 役のタイプがどんなに違えど、共通して深みがある
木梨憲武とダブル主演した1月期の「春になったら」(カンテレ・フジテレビ系)では心優しい主人公を叙情的に好演したが、今回はちょっと荒々しい役になりそうだ。
演じる役のタイプがどんなに違っても、共通して、深みがある演技の土台の部分に人のよさ、優しさ、懐かしさを感じさせるのが女優・奈緒の魅力だ。
彼女には何度かインタビュー取材で会ったことがあるが、素顔の彼女は、予想よりはるかに親しみやすくて、澄み渡る青空をイメージさせる人柄が魅力的な人だった。
新しい作品に出演が決まると自分が演じる役の名前の由来について想像するという彼女が、「その人の名前を呼ぶということが、その人にとって一番すてきな響きになると思っています」(タレントパワーWeb.2020年1月20日配信)と語っていたことが印象に残っている。彼女の人柄を感じさせる、すてきな言葉だと思う。
奈緒の演技を見ると、いつも心が優しくなれるのは、素顔の彼女自身の人のよさが、食材を投入する前の料理の基本となるスープのように、演技のベースラインを奏でているからだろう。