NHK、旧ジャニタレ起用再開のサスガ!「われわれは疑惑の風化に麻痺しすぎ、無自覚すぎではないか」
NHKが旧ジャニーズ事務所(現スマイルアップ)のマネジメント業務などを引き継ぐ「STARTO ENTERTAINMENT」所属タレントの番組起用を再開する意向を、稲葉会長が定例会見で明らかにした。故ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、NHKとテレビ東京は昨年9月に新規起用を停止した。だが先月スマイル社が被害者501名が補償内容に同意して492名に補償金を支払ったと発表したのを受け、今月3日にテレ東が再開を表明。残るNHKの動向が注目を集めていた。
■紅白歌合戦をふまえたビジネス的思惑
先月でも来月でもなく今月の定例会見で発表した意味を紐解くのは、ちっとも難しくない。毎年11月半ばに実施される「NHK紅白歌合戦」出場歌手発表をふまえてキャスティングの期限を考えるならば、〈起用停止からはや1年経ち、無事に禊も済みました!〉というメッセージを伝えるのは、今回(10月16日)の会見ワンチャンスしかない。むしろ、起用を確実に再開させたいビジネス的思惑ありきで、タイムスケジュールを逆算したと考えるほうが現実的だろう。半分マジで言うけど、よく考えれば何の根拠もない「1年」という区切りをやたら有り難がる日本人の習性を知りつくしてサスガだね、NHKは!
今年5月から8月にかけて、旧ジャニーズ創業家の藤島ジュリー景子氏は、スマイル社と音楽の原盤の権利等を共同保有する「ブライト・ノート・ミュージック」など4つの関連会社の会長職を退いた。現在、彼女が役職を務める関連会社はなく、配当も受け取っていないと発表しており、この点をNHKも起用再開の理由のひとつにしている。がしかし。スマイル社はジュリー氏退任を強くアピールしつつも、一方でその4社やファンクラブ事業を担う新会社「FAMILY CLUB」などの関連企業の株主構成などの詳細の公表を拒んでいる。これでは新旧会社の経営分離が済んでいるのか外からは判断できず、透明性を著しく欠いた経営姿勢と言わざるを得ない。