「たかが、いびき」は大間違い 早期治療開始が重要な理由
■精密検査で総合的に判断
さらには、睡眠中の呼吸停止に伴って頻回する酸素不足が認知症のリスクを上げるとの懸念もささやかれているという。
早めの診断・治療が肝要だ。最近では、スマートフォンの睡眠アプリなどでいびきの疑いに気付いて受診する人もいるとのことだ。
受診後のSASの検査の流れは次の通り。まずは自宅で簡易検査を行い、睡眠中の酸素不足や脈拍の変動、いびきや呼吸の状態などをおおまかに評価する。これでSASの疑いが強いとなれば、精密検査の「終夜睡眠ポリグラフ検査」を1泊入院で行う。「本当にSASがあるのか」「治療が必要なレベルなのか」「どのような治療が適しているのか」について、重症度、体位、睡眠深度の影響などを含め、総合的に診断を受ける。
治療は、「原因治療」と「対症療法」がある。原因治療としては、肥満がある場合は減量が必要。高度の扁桃肥大など上気道を狭くする病的な原因がある場合には手術が行われることもある。飲酒など、SASを増悪させる生活習慣の改善も必要だ。