病院からの引き継ぎなく、いきなり自宅療養が始まった50代女性は…
自宅療養を始める患者さんの事情はさまざまです。たとえば病院から余命を宣告され、家族と残された時間を過ごすために自宅へ戻る方、地域包括支援センターや自治体に相談し自宅療養を選択する方らがいます。
どのような患者さんであっても、在宅医療を開始する前には必ず療養する環境の整備が必要になります。
私たちはこれを「環境調整」と呼び、事前にケアマネジャーさんと協力し、介護ベッドやポータブルトイレ、手すりなど、自宅での療養に必要な環境を整えます。
患者さんの状況に応じて調整を行いますが、残された時間が限られている患者さんもいて、本来なら準備に数日かかるところを待たず、優先的に自宅へ戻れるよう急ぎ環境を整えることもあります。そんな時も、患者さんの不安を取り除くため、医療と介護で方向性について事前にすり合わせを行うよう努めています。
しかし、中には事前の準備が何もないまま、突然在宅医療が始まるケースもあります。
今回の患者さんは「臨機応変な対人関係が苦手」「自分の関心ややり方、ペースを最優先する」といった特徴を持つ、自閉症スペクトラム障害を抱える55歳の女性でした。