かゆくてたまらない…「結節性痒疹」の新薬が70年ぶりに登場

公開日: 更新日:

「この場合、掻いても皮膚の上の“危機”は排除されません。しかし掻くことで炎症が生じ、さらにかゆみを引き起こす物質(起痒物質)が産生され、よりかゆみが増して掻きむしるという悪循環が起こってしまう。そうやって何度も強く掻くことで皮膚は繰り返し傷つけられ、皮膚組織の内部構造が変化して半ドーム状に盛り上がり、結節性痒疹に至るのです」

 結節性痒疹は幅広い年代に存在し、年齢分布では中年以降に多く見られる。一般人にとっては耳慣れない病名かもしれないが、皮膚科医が日常的に診る病気としては決して珍しくないという。

 ところが、これまで治療法は限定的だった。中心となる治療はスキンケアとステロイド外用薬で、それで効果が見られなければ、抗ヒスタミン薬の服用、紫外線療法、それでも効果が見られなければ漢方薬やステロイド局注、または保険適用外の治療などが検討されるという状況だった。

 患者の治療への満足度がうかがえる調査結果がある。「直近1年以内に結節性痒疹の治療を実施した15~69歳」を対象としたインターネット調査では、回答者の全員が治療を受けた・受けているにもかかわらず、「皮疹もしくはかゆみが中等症以上の患者は40%」。80%以上の患者が「かゆみが日常に支障をきたしている」「かゆみで肌を掻きこわしてしまう」「再発を繰り返す」「良い状態が続かないことで困っている」と回答した。なお、治療方法で最多の51%を占めたのはステロイド外用薬だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が