認知症の中等症リハではなぜ「楽しんでできること」を探すのが重要なのか
それぞれの患者さんが楽しいと思ってできることを把握したら、それを行う時間を1日のスケジュールの中に定期的に組み込んで実践してもらいます。本人がやった行為に感謝を伝えると、本人のやる気はさらに上がります。施設でも自宅でも、認知症患者さんのリハビリでは、1日単位のスケジュールと1週間単位のスケジュールをきちんと決めることが大切です。決まった時間にどこに行くのか、何をするのかが決められていると、本人は知らぬ間に気持ちが楽になります。また、スケジュールが決められていると、「今日やることがある=自分の役割がある」といった自己効力感を維持することにつながります。それが、不安を軽減し、認知機能の低下やうつ症状の進行を抑制するために重要なのです。
繰り返しになりますが、中等症リハでは、昼間はしっかり起こし、夜はきちんと寝てもらい、起きている昼間には楽しんでできることをやってもらう。それによって、少しでも家族の介助量を減らしていくのです。