慶応幼稚舎「芸能人の子供が続々合格」の理由 入試の絵画問題は“うまさ”より「独創性」
「両親、祖父母、兄弟といった2親等以内に慶応出身者がいると、入試で有利に働くというのが定説でした」と話すのは、幼児教室の経営者。自身も幼稚舎OBである前出の慶応大元教授も、「毎年何人というはっきりしたものではないが、縁故枠があったのは事実」と認める。ただし、それは過去の話だという。
今回合格した芸能人の子ども3人の近親者に、慶応関係者は見当たらない。
■縁故やコネが利かないように「改革」
世紀が変わる前後に、そうした縁故やコネが利かないように、選抜方法が大きく改められたのだ。1999年4月に幼稚舎の舎長(校長)に就いた金子郁容氏(現慶応大名誉教授)が、入試改革を断行。それまで入学願書には祖父母の学歴や経歴まで書かせていたが、そうした欄をなくしてしまった。さらには、両親についても氏名だけを記入する方式に改め、保護者面接もなくした。純粋に子どもだけを見て判断するというのが金子舎長の狙いだった。この時代、日本でもっとも著名なAV監督の長男も合格している。