著者のコラム一覧
内田正治タクシードライバー

1951年埼玉県生まれ。大学卒業後、家業の日用品、雑貨の卸会社の専務に。しかし、50歳のときに会社は倒産。妻とも離婚。両親を養うためにタクシードライバーに。1日300キロ走行の日々がはじまった。「タクシードライバーぐるぐる日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

(27)大女優と“夢の競演”も…携帯電話で話す乗客にはしばしば驚かされる

公開日: 更新日:

 なかには「大丈夫、国税は5年で時効だから」とか「追い込みをかけろ」「ちょっと脅かしてやれ」といった善良な市民である私とは無縁の物騒な言葉が聞こえてくることもあった。そうなると、“触らぬ神に祟りなし”で、話しかけられないように自分の“気配”をできるだけ消した。おそらく私の表情は“のっぺらぼう”のようになっていたと思う。

 ただ、その一方でお客の携帯電話で楽しい思いをしたこともある。

 無線配車で御徒町に向かい女性を乗せた。ちょっと一般人ではないなと感じたが、すぐにその人が誰であるかはわかった。1960年代から映画で活躍した大女優のAさん(ご本人のイニシャルとは一応無関係)だった。当時、超人気男優だったBさん、Cさんの相手役として多くの作品でヒロイン役を演じた女優さんだ。映画全盛の時代、私も彼女の出演作品を何本も見ていた。私にとってはまさに憧れのスターである。現在も現役で活躍している。

 ドアを閉めると「運転手さん、上野に戻って高速に乗って天現寺まで」とのご用命。私が多少戻ることになることを伝えると「昭和通りは混むから」とやさしくひと言。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    美川憲一「もういいわ」和田アキ子「ありえない」…切り捨てた重鎮に見捨てられたNHK紅白の末路

  2. 2

    「重圧は言い訳にならない」とバッサリ、体操界レジェンド池谷幸雄氏が語る「エース不在」の影響

  3. 3

    オリンピアンの大甘同情論に透ける「特権意識」…血税注ぎ込まれているだけに厳罰必至の当然

  4. 4

    悠仁さまが“定員3人”の狭き門・筑波大AC入試も余裕でクリアできるワケ…9月初めにも明らかに?

  5. 5

    体操界は飲酒喫煙「常態化」の衝撃…かつてスポンサー企業もブチギレていた!

  1. 6

    パリ五輪辞退の宮田笙子は再起できるのか…境遇が重ねられるバトミントン桃田賢斗はその後

  2. 7

    ひっそりと存在消された NHK“車上不倫”人気アナカップル

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    美川憲一がジャニー氏性加害問題に言及した重み…“オネエキャラ”転身までの苦難の道のり

  5. 10

    スピードワゴン小沢一敬は松本人志と一蓮托生で復帰不可能か…幸せの骨頂の相方とは絶望的格差