橋本「翁屋」で日本酒を一本一本、丁寧に説明してくれた店主と意気投合
一升瓶が冷やしてある冷蔵庫へ
その破れた暖簾をくぐると、古風な4人掛けテーブルが3つほど置かれているが、すべて埋まっている。
「初めてなんですが……」
「いやあ、ちょっといっぱいで……」
ちょいと頑固で怖そうな親方が困った顔でアタシを見る。
「カウンターでもよければ……」
もちろんです! すかさず4人座れるカウンターへ。見回せば上機嫌の先客はほとんどが地元の先輩だ。ほかに会社員風が1組。それぞれのテーブルにはうまそうな肴が所狭しと置かれ、2合徳利が林立している。アタシは一升瓶が冷やしてある冷蔵庫の前に歩み寄る。