眼瞼下垂を治したい! 美容外科界隈で「世紀の大発明」と呼ばれる手術とは?【目元の美容専門医師が解説】

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コクハク

眼瞼下垂ってなに?

 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。今回は『眼瞼下垂について』について、東京・赤坂「イートップクリニック」院長で、目元の美容専門医師である増田えりかが解説します!

【「美容医療」お悩み一発回答!】

 目の上が凹んできた、二重が広くなってきた、夕方あるいは夜になるとまぶたが重い…。そんなあなたは、眼瞼下垂かもしれません。

 目を開ける力が弱ってくるとおでこの筋肉を使って目を開けようとするので、額にシワがよって、その結果おでこの緊張が頭全体や首まで伝わり、頭痛や肩こりの症状につながるケースは少なくありません。

 日常生活に支障をきたす「眼瞼下垂」は保険適用で症状を回避する手術を受けることもできます。

目が開く仕組み
 目は「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」と呼ばれる筋肉が、「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」というとても薄い膜を介して、まつ毛のキワにある「瞼板(けんばん)」を持ち上げることで開くのですが、挙筋腱膜は加齢によってさらに薄くなっていきます。

“極薄”になった挙筋腱膜によって、連動する眼瞼挙筋はつられた状態になり、目の上の脂肪が奥へ移動することで凹みが生じたりします。

 また眼瞼挙筋自体も衰えて伸びたり弱ったりするので、最終的に瞼板から外れて別の力を頼り出し、おでこの皺が常に寄ってしまうのです。

 目の上が凹んでいる状況は、筋肉のさらなる酷使につながるので、何かしらの治療や対策を講じたほうがいいでしょう。軽度の眼瞼下垂なら、目の上へのヒアルロン酸注入のみで解決できる場合もあります。

 よりまぶたが重く感じる場合は、いよいよ手術が必要となります。

【こちらもどうぞ】「まぶたのたるみ」原因と予防法。おでこのシワにボトックスが不向きな人は注意【目元の美容専門医師が解説】

眼瞼下垂の手術は大きく2つ

1. ダウンタイムの少ない「糸による切らない眼瞼下垂」
 糸で二重まぶたを作る埋没法を応用して、薄くなった挙筋腱膜を糸でたぐり寄せ、まぶたの開きもよくしてしまおうという画期的な手術です。

 傷跡は、“二重ライン上の針穴のみ”なので、ほとんど目立ちませんし、お化粧は3日目から可能です。

 ダウンタイムが思うように取れない忙しい方には、もってこいです。美容外科界隈では「世紀の大発明」と言われるくらい、見た目と機能がどちらも整う、保険診療では受けられない技術です。

 ただし保険適用外の自費診療のため、お値段はさまざま。10~40万円とクリニックにより幅広い価格設定なのも、この手術の一つの特徴です。

 眼瞼下垂はまぶたの手術の中でも最も経験と技術が問われるので、手術にかけるプライドと想いが表れる部分ですね。

2. 術後に1週間の休みが取れるなら「切開の眼瞼下垂」を
 凹みに負けて二重まぶたの食い込みがなくなっている、あるいは、黒目が上半分隠れているような“眠そうな目”の場合は、糸による手術では太刀打ちできません。

 皮膚のたるみが多い場合も、糸でたくし上げるには限界があります。眼瞼下垂の切開手術のメリットでもある、少量の皮膚切除を行うことで、機能と見た目を整えます。

保険適用と自費診療の違い

 先にお伝えしたように、基本的には日常生活に支障をきたす場合に保険適用で受けられます。そして経験値が違っても全国一律で同じ手術代金というのが保険診療の大前提です。

 経験値の高いドクターの施術が安いお値段で受けられるメリットもありますが、保険診療は教育の場の側面があり、トレーニング中のドクター優先で手術が回されます。

 加えて安い手術代で1日の売り上げを捻出するので、数をこなす必要があり、一件の手術に当てられる時間は必然的に短くなります。じっくり吟味しながらの手術というよりは機能の改善を重視したスピード勝負になることが多々あるといえるでしょう。

 日本人の目元には、目の開く機能を優先すると広い二重幅を作ることが難しいという特徴があります。広い二重幅を作るには、目の機能と見た目の微妙な調整をする美容外科ならではのテクニックが必要になります。

 お値段は張りますが、美容外科で受けるメリットは十分にあると言えます。


(イートップクリニック提供/無断転載禁止)


(イートップクリニック提供/無断転載禁止)

目元に特化したクリニックで診察だけでも
 とはいえ、自費診療では40~70万円と、保険診療の10倍ほどになるので、とにかく機能面だけ改善できたらいいという場合は、保険診療で十分でしょう。

 そもそも自分が眼瞼下垂なのかどうかわからない…。そんなあなたは、まずは目元に特化したクリニックで診察だけでも受けてみてください。

 すぐに手術を受けるつもりがなくても問題ありません。無駄な心配をする時間はもったいないので、一つのメンタルケアとして足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

「イートップクリニック」院長/増田えりか
 2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

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