国民民主党ブチ上げ「大型減税策」には大きな罠…石破自民“丸のみ”なら英トラス政権の二の舞に
「円は投げ売られ、さらなる物価高を招く」と識者が警鐘
約2年前、同じようなバラマキをやろうとしたものの金融市場から総スカンを食らい、吹っ飛んだ政権がある。英国のトラス政権だ。
トラス首相は政権発足直後に所得税減税、法人税増税計画の凍結、エネルギー料金の負担軽減策をブチ上げた。すると、財源の裏付けがない大型減税による財政悪化や、物価高に歯止めが利かなくなるとの懸念が強まり、英国の通貨、株式、国債が同時に売られる「トリプル安」が起きたのだ。市場から強烈な「NO」を突きつけられた結果、英史上最短の在任49日で退陣に追い込まれたのだった。
減税自体は大歓迎だが、石破首相はこうした深刻なリスクを理解しているのだろうか。淑徳大大学院客員教授の金子勝氏(財政学)が言う。
「トラス政権の減税規模は当時の為替レートで約7兆円でした。国家の規模に差があるとはいえ、国民民主の減税規模は異常な大きさです。最低でも、法人税引き上げといった増税策とセットで打ち出すべき。いずれにせよ、財源は赤字国債に頼らざるを得ませんから、円は投げ売られ、円安を招くでしょう。当然ながら物価高は止まらない。こうした国債依存のバラマキは、発想の根っこは失敗したアベノミクスと同じです。せっかく衆院選で旧安倍派所属のシンパが減り、政策転換するチャンスなのに、石破政権は国民民主を引き入れ、またアベノミクス的な政策を続ける気なのか。これでは、トラス政権の二の舞いになりかねません」
国民は聞こえがいいことばかり言う政治家を疑ってかかるべきだ。
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政局のキーマンに躍り出た、国民民主党の玉木雄一郎代表。20~30代の若年層を中心に玉木代表への期待が高まっているというが、だまされてはいけない。【もっと読む】『国民民主・玉木代表「野党結集」裏切りの歴史…浮かれる政局キーマンは政権交代の足を引っ張ったA級戦犯』で取り上げている。