著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

大正天皇は他人の言葉も理解できないほど体調が悪化した

公開日: 更新日:
大正天皇は国民の前に姿を現す機会が少なくなった(C)共同通信社

 皇太子がヨーロッパ訪問を終え、日本に戻ってきたのは、大正10(1921)年9月3日であった。ほぼ半年に及ぶ視察旅行であった。皇太子の乗った「香取」が横浜に着く前に、原首相は水雷艇に乗って、このお召し艦に乗り込んでいる。原は、出発時に比べて皇太子の言動に落ち着きが出ていることに感…

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