トム・クルーズ似のWHO船医が「愛しいハニー」と囁きカネを無心…1億円ロマンス詐欺の巧妙手口
その後もデビッドは「航海中に海賊に襲われた。WHOは海賊から身代金を要求されることを恐れ、私たちの銀行口座を強制的に凍結した。娘に仕送りすることもできない」という口実で金を催促。
さらにベルリンの医師をかたる男から、あわてた様子で「デビッドが交通事故に巻き込まれた」と電話があり、翌日、デビッド本人が「ベルリンは治療費が高くて払えない。助けてくれ、愛しいハニー」と援助を求めてきた。手術代、入院、リハビリ費用、ベルリンからミシガンまでの渡航費、タクシー代名目で金を要求。無心は1年以上続き、計103回に及んだ。
■本人はデビッドと交際していると思い込んでいた
「被害に遭った女性は英語が堪能で、直接、電話で会話することもあった。今年11月、女性が資産運用を任せている銀行を訪れ、投資の相談をした際、応対した行員が、資産が減っていることに気付いた。本人はデビッドと交際していると思い込んでいたため、『外国人を支援している』と主張したが、行員から『だまされています』と諭され、ようやく詐欺に遭ったと認識した。デビッドに夢中になり、判断力を失っていた。女性は無職ですが、かなりの資産家です。資産は減ったが、全財産を取られたわけではない。詐欺グループは女性の資産状況をあらかじめ知っていて、アプローチしたのかもしれません」(捜査事情通)