「逸ノ城は横綱に」「日本人は弱い」朝青龍に反論できぬ相撲界
逸ノ城は11日目の大関稀勢の里戦も立ち合い変化で勝っている。それは鶴竜も頭にあったはずだ。担当記者の推測通りだとすれば、そうした戦術を組み立てるだけのアタマと技術力にも長けていることになる。
ただでさえ、体格に恵まれている上、「心」と「技」も規格外。すでに73年の大錦(現山科親方)以来、41年ぶりとなる新入幕での横綱撃破は達成した。入門5場所は史上最速だ。さらに新入幕優勝なら1914年の両国(最高位関脇)以来、100年ぶりの快挙。今場所後は小結を通り越して、一気に関脇まで昇進してもおかしくない。
それにしても、情けないのが日本人力士だ。この日の逸ノ城の取組を見た力士たちは、まさかの金星に呆然。「すげえ!」と感心する者もいた。口をあんぐりさせるだけで、自分たちが彼らに取って代わろうという気概がない。
モンゴルは人口287万人。日本の1億2700万人の44分の1だ。にもかかわらず、朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜と立て続けに横綱を輩出。この日、73年ぶりとなる40歳にしての幕内勝ち越しを決めた旭天鵬もモンゴル出身で、日本人力士の情けなさがいよいよ際立った。