(3)さまざまな種類の食品を取っている人は死亡率が低い
100歳を超えても元気に暮らす高齢者の中から「毎日サケを食べている」「青魚を欠かさない」など、特定の食品を常食しているというお話を聞くことがあります。このような事例を耳にすると、つい長寿の秘訣は特定の食べ物にあるのではないか? 健康長寿になれるスーパーフードがあるのでは? という素朴な疑問が生まれるものです。
しかし現時点では十分な科学的根拠(エビデンス)がある「これだけを食べればよい」といった食品はありません。
ではなにが重要なのかというと、サケや青魚とともに昔からいいといわれている、納豆や味噌といった発酵食品などを含め、多様性豊かな食品を摂取することに尽きます。
ただ1回目の本連載でも述べましたが、食べる量が多くエネルギー量が十分でも、体を動かすために必要な筋肉・皮膚・内臓などの体を作る材料になるタンパク質が不足していれば、低栄養となるため注意が必要です。
ちなみに1日に取る理想的な食品は、主食の米、パン、麺などに加え、「食品摂取の多様性スコア」を目安にするといいでしょう。