手術決断先送りのダルに「日本の医師にも診断仰ぐべき」の声
ダルは名医といわれるアンドリューズ医師の診断で手術に踏ん切りをつけるとみられるが、米国で「スポーツドクター」「肘の権威」といわれる医師でも全幅の信頼を寄せるのはリスクが高過ぎる。米国の整形外科医の技量は決して高いとは言い難いからだ。
■リハビリ技術も日本は進歩
これまでトミー・ジョン手術を受けたメジャーリーガーは350人を超える。手術そのものの成功率は、ほぼ100%に近いとはいえ、戦列に復帰して故障前と同程度のパフォーマンスを発揮できるまでに回復するケースは90%ほどだといわれる。平均球速が3キロほど落ちるというデータもある。球威が戻らなかったり、制球が悪くなるなど、故障前と比べてダメになる投手は少なくない。
「右肘に3度もメスを入れながら復帰できなかった大塚(レンジャーズなど)のように、何度手術しても回復しない投手もいます。本人のリハビリに問題があった可能性もありますが、米国の外科医の腕も原因のひとつに考えられます。米国には手先の器用なドクターが少ないため、前立腺がん治療などは手術用ロボットに頼っているほどです。傷口の縫合も雑で、術後から何年も経過しているのに縫い目がくっきり残っている投手は少なくありません。手先の器用さ、術後のケアなどは日本の医師の方が秀でていると思う」(スポーツライター・友成那智氏)