オリ森脇監督の「休養会見」に巨人球団が冷ややかだったワケ
不振の責任を取って休養の決まったオリックス森脇浩司監督(54)は、「名コーチ」として知られた。指導者として13年間在籍したソフトバンクでは、川崎宗則(現ブルージェイズ)ら数多くの選手を育成。王監督が胃がん手術のために休養した06年は、監督代行を務めるなど特に「世界の王」の信頼が厚かった。11年に縁もゆかりもない巨人の二軍内野守備・走塁コーチに就任したのも、その推薦があったからである。
「王さんはもちろん、森脇さんに関しては、長嶋終身名誉監督も高く評価していた。アテネ五輪日本代表監督時代に各球団のキャンプを巡った際、当時ダイエーのコーチだった森脇さんのノックを見て一目惚れ。『あの名人芸のノックだけで飯が食える』と絶賛した。いわば、森脇さんの巨人二軍コーチ就任は天下のONのお墨付きがあったわけです」(巨人OB)
が、森脇監督はたった1年で巨人を退団。その指導力を買っていた球団から、いずれ一軍でも、という声が聞かれ始めていた中での辞任の申し入れだった。しかも、球団がそれを聞いたのは、翌年の契約を結ぶつもりで行ったコーチ陣の更改交渉のその日。事前になんの相談もなかった球団は呆気にとられ、後任人事で右往左往することになった。