公表はロッテのみ 豊作ドラフトで「1位候補」逡巡の理由
「田中は右肩の不安ばかりが取りざたされてるけど、フィールディングや牽制がヘタ。潜在能力はピカイチでも、プロでいきなりローテに入ってバリバリ働けるかというと疑問なのです。佐々木は都立高出身で基礎体力不足といわれ、柳はストレートの球威自体が疑問視されている。高校生の今井や寺島は早い時期から活躍する保証がないうえ、甲子園やU―18での登板過多を指摘する声もあります」
1位候補のひとりである柳がこの日、早大戦に先発し、8安打4失点で四回途中降板。決め球のカーブを早大打線にとらえられた。在阪球団のスカウトがこう言った。
「柳は15日に延長十二回を完投して20奪三振、ネット裏の評価を上げたばかりです。ウチも含めて柳を狙っている球団は本来なら、メッタ打ちにされたことを喜ばなきゃいけない。これで降りてくれる球団がひとつでも増えればしめたもの。スカウトはこれまで散々、柳を追い掛け、練習態度なんかも含めて評価はとっくに定まっていてしかるべきですからね。なのにきょうの会議では、決め球を痛打されたことが問題視されて評価がガクンと下がった。ドラフト直前のたった1回の登板で評価を下げるのも問題ですけど、今年は選手のアラ探しをしなきゃならないほど評価が拮抗しているということでしょう」
ドラフト前日、いや当日の昼すぎまで1位候補をだれにするか逡巡する球団がごまんとありそうだ。