世界から約7分遅れ 日本男子マラソンに「2時間9分」の壁
9分切りさえ厳しい時代になった。
昨年12月の福岡国際マラソンで日本勢最高の3位だった川内優輝(29)が12日、愛媛マラソンで大会新記録の2時間9分54秒で初優勝した。
2時間9分台といえば、川内の福岡も、2時間9分11秒。今月5日の別府大分毎日マラソンで優勝した中本健太郎(34)も2時間9分32秒だった。リオ五輪代表の3人も、選考会の記録は佐々木悟(福岡国際3位)がどうにか9分を切って2時間8分56秒。北島寿典(びわ湖毎日2位)は2時間9分16秒、石川末広(同4位)も2時間9分25秒。マラソン選手が目の色変えた五輪シーズンでさえ、この程度の記録しか出なかった。
世界の男子マラソンは、2時間2分台に突入したというのに、国内大会の2時間7分台は、15年の東京で今井正人が出した2時間7分39秒(7位)が最後だ。
だからなのか、今月26日号砲の東京マラソンは、記録を狙える高速化を目指しコースを変更。35キロすぎの心臓破りの坂(佃大橋)も消えた。主催者が楽なコースにして、どれだけ記録が伸びるか楽しみだ。
12日の全日本実業団ハーフマラソンの女子は、宇都宮亜依(21)が1時間10分47秒で初優勝(日本記録=福士加代子1時間7分26秒)したが、10日にアラブ首長国連邦で行われた女子ハーフマラソンでは、ペレス・ジェプチルチル(23=ケニア)が、1時間5分6秒の世界新記録を樹立した。