中日荒木2000安打達成秘話 メジャーも認めた北京での一発
■メジャースカウトが絶賛した本塁打
メジャーが注目した時期もある。荒木は「メジャーには全く興味がなかった」そうだが、当時の落合監督が「二塁守備はメジャーでもトップクラス」と褒めたこともある。08年北京五輪では日本代表として出場。3位決定戦では本塁打も打った。この試合を視察していたインディアンスのスカウト(当時)はこんな話をしていた。
「アラキはグレートな選手。二塁守備はメジャーでもトップクラスだ。メジャーに行けばもっと注目が集まるはず。彼を取りたいと思う球団は間違いなくある。日本ではあまり本塁打を打っていないようだけど、彼の技術、身体能力なら、本塁打を打ったことに驚きは全くない。当然だろう」
2000安打を達成した今も、荒木は「自分は打つのが下手」と言う。かつて落合監督から「もっと自分を過大評価していいんだぞ」と言われ、「すみません、それだけは直りません」と答えたという謙虚な男が、少しだけ誇らしげにこう言った。
「この22年、ほんとによく練習しました。それだけは言えます。打てないんじゃないかという不安に襲われても、これだけ練習をやったんだから、というのが僕の支えになったし、自信につながりました」