まずは先発 エンゼルス“投手優先”調整は大谷にも好都合
約1年前の話だ。大谷は右足首痛の影響で別メニュー調整が続いていた。2次キャンプ(沖縄)第2クール、グラウンドでフリー打撃を開始すると、いきなり初球をバックスクリーンにたたき込み、関係者の度肝を抜いた。屋外での打ち始めは打撃投手の「生きた球」にタイミングが合わない選手も少なくないが、打者としての能力や適応力はもともと投手としてのそれよりはるかに優れているのだ。
「大谷自身、投手として開幕までに試したいことは多いはず。ボールとマウンドが変われば、ストレートの球筋は変わるし、変化球の曲がり、落ち具合も違ってくる。日ハム時代もオープン戦ではいろいろと試しながら投げていた。あまりにも打たれるので、栗山監督が本気で心配したこともあるくらい。失投が許されない公式戦と違い、オープン戦をあくまでも調整期間と位置付けているのです。投手に比重を置いた調整なら、試す時間を多めに取ることができますからね」(日本ハムOB)
18日(日本時間19日)のバッテリー組は軽めの練習。大谷は球場入りしたものの、グラウンドには出ず、室内で軽く体を動かした程度でクラブハウスを後にした。帰り際に行った即席サイン会には、50人のファンが殺到した。
球場を出る直前には駐車場にあったファンの車が突然、「ボン」という音を立てて炎上、消防車が出動する騒ぎも。火は消し止められ、ケガ人はいなかったが、何かと騒がしい一日だった。