ZOZO騒がれた日の皮肉 老舗球団は新興勢力に5年で抜かれる
■老舗球団のフロント幹部は親会社からの出向組
「フロントにいかに優秀な人材を置いているか、ここに差を感じます」
こう話すのは、横浜、MLBで球団職員を歴任、現在は東京五輪で正式種目になった3人制バスケットチーム「セカイエ」のGMを務める小島克典氏だ。
「80年代後半に金融系のオリックスが参入し、その後、ソフトバンクなどのIT企業が次々とオーナーに就いた。時代の流れの中で、経営手法にも変化が必要になっている。巨人、阪神は今も、親会社からの出向組が大半です。IT系の球団は親会社と同様、業界の垣根を越えて優秀な人材をヘッドハンティングし、要職につけている。たとえばDeNAの岡村社長は東大出身の総務官僚だった。親会社の人間、元選手といった地位や肩書にこだわることなく、業界の垣根を越えた活発な人事が、球団の発展を支えている。メジャーでは日常的に行われていることで、近年は異業種出身者がオーナー直属のベースボールオペレーション(野球運営部門)の社長になり、編成部門を仕切ることで結果を出す球団が増えています」