64年東京五輪で最終聖火ランナー務めた坂井義則さんの最期
アジア初のオリンピックは大成功に終わった。「日本オリンピック」とも称され、それを契機に日本は、本格的な高度経済成長時代を迎えて経済大国へと突き進む。早稲田大卒業後にフジテレビに入社した坂井は、同僚に言っている。
「ぼくには誕生日が2つあるんだ。8月6日と10月10日なんだよね」
東京オリンピックから50年目の2014年。その中間の日である9月10日だ。坂井義則は69歳で泉下の人となった――。 (つづく)
▽さかい よしのり(東京オリンピック、最終聖火ランナー) 1945年広島県生まれ。66年アジア大会陸上400メートル銀メダル、1600メートルリレー金メダル。68年フジテレビに入社し、報道部とスポーツ部に37年在籍。主にスポーツ番組を手がける。