<2>実家に戻った部員には具体的な練習方法も指示できず…
さあ、これから――。全国の高校球児も、そして指導者たちも、そう思っていたが、新型コロナウイルスが日本を襲った。
3月から政府が全国の小中高校に臨時休校を要請。当初は3月中の予定だったが、延期に次ぐ延期で長い休みが始まった。
高校野球も春のセンバツが中止になり、夏もどうなるかわからない。部活動は中止になり、出はなをくじかれた高校生や監督は数知れず。千葉の強豪、拓大紅陵も例外ではなかった。
■入寮直後の閉鎖
和田孝志監督(49)が言う。
「3月中に一度、部活動が停止になり、再開した直後に休校が決まったんです。4月4日に新入生の入寮があり、8日が入学式。その後、新学期の教科書配布が終わってすぐでした。寮もすべて閉鎖され、寮生も実家に帰さなくてはいけない。まさにこれから、という時だったんです」
元ロッテ投手の和田監督は2016年から母校・拓大紅陵でコーチを務め、昨年8月、監督に就任。現在の3年生は監督として初めて手掛けた代だが、エースの竹内を中心に可能性のあるチームだった。