阪神には行きたくない 糸井2世も敬遠する球団の構造的欠陥
高卒主力野手は新庄以来いない?
高卒選手の代表格・藤浪は乱調を繰り返し、二軍落ちとなった。大阪桐蔭時代に春夏連覇した甲子園の申し子として入団8年目。いまだに制球難は改善されず、球団は再生の道を示せない。レギュラークラスで高卒選手は皆無。これが阪神の現実を表している。前出の球界関係者は「関西のドラフト上位候補のある高校生も、本音では阪神以外の球団を希望している。特に野球部の監督が阪神を毛嫌いしています」と証言する。
前出のスカウトが話を引き取る。
「高卒の投手は辛うじて藤川、秋山がいるが、野手は本当に全くいない。レギュラークラスでは新庄(1989年ドラフト5位入団)くらいまでさかのぼらないと名前が出てこない。いくらなんでもヒド過ぎる、と関西の強豪校の監督が笑っていました。少し前は巨人が補強ばっかりで高卒選手を育てない、使ってくれない、と敬遠されていましたが、今は完全に阪神です」
■スカウト部は引退選手の天下り先
そもそも阪神はスカウティングに問題があるとの指摘がある。
去る5日、前出の佐藤が出場した関西学生リーグ開幕戦は、和田球団本部付テクニカルアドバイザーら6人が視察。「大勢で見たと誠意を見せているつもりなんだろうけど何の意味もない。それだけの人がいるなら、なぜ、他をチェックしないのか」と、他球団の失笑を買っている。在京球団のスカウトがこう言う。
「4球団が1位入札した藤浪ら一部の選手を除き、阪神には能力のある選手が少ない。スカウトは引退選手の天下りで、選手を獲得しなくても給料はもらえる。いい選手を獲得するどころか、ヘタに推薦して、その選手が活躍しなかったときに責任を追及されることを恐れているのですよ。中には目利きもいますが、選手獲得は彼の意思だけで決まらない。ときの監督やフロント幹部の意向で大きく左右されるし、眼力のあるスカウトにしても、自分の進退を懸けてまで目を付けた選手の獲得をプッシュしてるわけではないようですし」
石ころはいくら磨いてもダイヤにはならない。おまけに磨き方にも問題があるのだから、いい選手が育つはずがない。昨年まで14年間もリーグ優勝から遠ざかっているのも必然だし、素質ある選手が自分を生かせる環境ではないと敬遠するのも当然だ。