ビーチサッカー代表ロシアW杯出場 獅子奮迅オズに聞いた
JFA(日本サッカー協会)は4月22日、2021年ビーチサッカーW杯ロシア大会(8月19~29日)に日本代表の出場が決まったことを発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大で当初、4月にタイで開催予定だったアジア最終予選が中止となり、アジア・サッカー連盟(AFC)が過去の国際大会の成績を元にアジア出場3枠として日本、オマーン、アラブ主張国連邦のW杯出場を決めた。
日本代表は11度目のW杯出場。これまでの最高位は、ラモス瑠偉監督(当時)が率いた2005年リオ大会と前回2019年パラグアイ大会の4位。パラグアイでMVPを獲得した茂怜羅オズ・日本代表監督兼選手はこうコメントした。
「日本が出場できたのは、今までのビーチサッカー日本代表の活動の結果だと思います。歴代のビーチサッカー代表のみなさんに感謝します。しっかり準備して前回の勢いを引き継ぎ、スタッフ、選手たちと一つになって戦いたいと思います。優勝を目指し、日本をトップにして日本のビーチサッカーをもっと盛り上げていきたいです」
そのオズ監督兼選手は、所属する東京Vビーチサッカーチームでも、監督兼選手としてエネルギッシュに活動している。4月18日には、東京Vビーチサッカーの本拠地「TACHIHI BEACH」(東京都立川市立飛)で開催された「第3回タチヒビーチCUP(第1ラウンド)」で<一人三役>の獅子奮迅ぶりだった。
日本最大の賞金CUPである「タヒチビーチCUP」(賞金100万円。秋に開催される第2ラウンドの結果で優勝チームが決まる)。今回の第1ラウンドで東京Vビーチサッカーの試合中、盛り上げ役のDJが「オズが監督としても選手としても大活躍。それに(大会前日の)昨日はゴールも運んでいました」と絶叫。そのことについて「今日も午前7時に集まって(大会の)準備をしました」と苦笑しながらこう続けた。
「選手が試合もやって設営も手伝っているようではダメ。やはり選手がプレーだけに集中できるようにならないといけません。タチヒビーチCUPは、3回目となってスポンサーさんも増え、たくさんの人に支えられて盛り上がってきました。今後は、2022年を目標に大学のビーチサッカーチームを大会に招きたいと思います」
多くの観戦者が訪れた大会で存在感を示したのが<ビーチサッカー1年生>の山田貴仁選手だ。
新潟・帝京長岡高から大阪体育大に進み、卒業後は社会人リーグのアルティスタ浅間、富山新庄クラブでプレー。身長180センチ、体重78キロの堂々のフィジカルを誇り、1月28日に正式に加入した。
「高校時代の恩師(谷口哲郎・総監督)の勧めもあり、東京Vの練習に参加しました。ビーチサッカーは初めての経験でしたが、ボールはちゃんと転がらないし、通常のサッカーのように<足元でボールを落ち着かせる>のではなくて<ボールを浮かして繋ぐ>ことに大きな違和感と難しさを感じました。今は魅力的な環境でビーチサッカーができ、もの凄く充実しています。周りの選手は上手な人ばかり。自分のストロングポイントを生かしてくれ、感謝しながらプレーしています」
タチヒビーチCUPに女子の部が新設
第3回タチヒビーチCUPに女子の部が新設されて「東京VプライアナBS」「OMIASHI BEACH SC」「BALLENABLANCA城北レディース」「東京女子体育大サッカー部」の4チームが熱戦を繰り広げた。
1月に立ち上がった東京VプライアナBSの主将・森谷志織選手と背番号10の鈴江紗希選手にビーチサッカーの魅力を聞いた。
「小学校からサッカーを始めて宮城・常盤木学園から東京女子体育大に進み、卒業後はフットサルをやっていました。高校時代は(日本代表DF)熊谷紗季が同期でした。ビーチサッカーは(隣の)鈴江紗希に誘われたのがきっかけです。2020年のタチヒビーチCUPでヴェルディのビーチサッカーに魅了されました。ビーチサッカーは<出来ないのが楽しい>と思います。ピッチが平らなサッカーやフットサルと違い、ビーチはミスを気にすることよりも<点を取ってナンボ>というところに魅力を感じます。サッカーはビーチが一番面白い。もっともっと知れ渡って欲しいと思います」(森谷選手)
「ゾンネ鴨川ビーチサッカーというチームが千葉にあり、立ち上げから関わっていました。東京Vビーチサッカーの(日本代表)原口翔太郎選手とゾンネ時代に繋がりがあり、プライアナに誘っていただきました。サッカーは日本女子体育大に入学してから始めました。社会人リーグでサッカーとビーチを兼任していましたが、今年からはビーチに専念しています。男子チームのようにボールがなかなか繋がらないのですが、戦術通りに浮き球のボールが繋がったとき、ビーチサッカーの面白さを感じます。緊張するタイプですが、タチヒビーチCUPのように大勢の観客、サポーターに見てもらえると凄く頑張れます」(鈴江選手)