若隆景への指導の中身、昨今の大相撲への提言…気鋭の力士を育てた親方が語り尽くした

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先代 荒汐親方(元小結 大豊)

 10日に初日を迎える大相撲7月場所。相変わらずの“本命”不在で、横綱照ノ富士は両ヒザにバクダンを抱え、大関陣は暇さえあればカド番だ。そんな中、虎視眈々と賜杯を狙っている三役~幕内上位の力士たち。今年3月場所で初優勝を飾った関脇・若隆景(27)もそのひとりだ。気鋭の力士を育てた先代荒汐親方(67=元小結大豊)に、若隆景や昨今の大相撲について話を聞いた。

■大波3兄弟とは昔から縁が

 ──入門当初の若隆景関はどんな力士だったのですか。

「入門当初というか、小学生のころからよく知っていますからね。彼のお父さんは立田川部屋に所属した若信夫という力士。福島県で『ちゃんこ若葉山』というお店を営んでいます。彼は私と同じ時津風一門で後輩なんですよ。巡業で福島県に行った時はお店に行ってましたし、親しく付き合っている。だから大波3兄弟(若隆元、若元春、若隆景)のことは昔から知っていたんです」

 ──まず、長男の若隆元さん(30)が2009年に入門しました。

「当時、まだ若隆景は中学生。ただ、その前からわんぱく相撲を見に行ったり、彼が在学していた学法福島高校の相撲部に時折、顔を出したりしていました」

 ──最初から兄弟全員が荒汐部屋に入門する予定だったのですか?

「いや、お父さんは兄弟全員、バラバラの部屋に入門させようと思っていたようです。次男の若元春(28)も別の部屋からスカウトがあったそうで。まあ、結果的に兄弟全員同じ部屋で良かったですけど(笑)」

 ──というと、下の2人が「荒汐部屋がいい!」と。

「あれは東日本大震災があった2011年。福島県は被害が大きく、両親を含めて兄弟全員がこっちに避難した。両親は私の後援者の自宅に泊まってもらって、まだ入門前の次男と三男を部屋で預かったんです。大体1カ月くらい生活しましたね。もともと夏休みはウチで合宿して稽古をしていましたから。そうした縁もあって、次男も『荒汐部屋に入門する』と」

■若隆景は入門した頃から負けん気が顔に

 ──兄弟で性格はまったく違うそうですね。

「長男の若隆元は2人のまとめ役。真ん中の若元春は人の言うことを聞かないし、相撲で勝っても負けてもケロッとしている(笑)。一番下の若隆景はウチに来た頃から、負けん気が顔に出ていた。次男が同じような性格だったら、もっと強くなっていたと思うんですけどねえ。まあ、とにかく下の2人はよくケンカをしていましたよ。ウチのおかみも『あの2人はちょっと目を離すと、殴り合いのケンカをする』ってこぼしていました(笑)。それでいて、長男の言うことは2人ともよく聞くんですよね」

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