新十両・千代栄は苦節13年で年収1000万円超の仲間入り…「プロで稼ぐなら大相撲」って本当?
25日、31歳の千代栄が新十両会見を行った。2009年に入門し、苦節13年。歴代4位のスロー出世で、本人も「年も年なので、そろそろ(引退)かな、と思っていた」と話した。
大相撲といえば、厳しい下積み、理不尽なしごき……という印象を持っている者も多いだろう。
給与格差も露骨だ。幕下以下は給料がなく、月給が出るのは十両以上の関取のみ。幕下の本場所手当は年にして約100万円。千代栄は、13年もそんな中で耐え忍んだ。一方、十両は月給110万円で、年間1320万円になる。関取の数は十両が28人。幕内は5月場所の時点で42人。大相撲の力士の総数はおよそ700人だから、関取になれるのは1割しかいない。
一見、狭き門のように見えるが、果たしてそうなのか。
大相撲は他の多くのプロスポーツと異なり、希望すればよほど体格で劣っていない限り、誰でも「プロ」になれる。
他競技だとこうはいかない。例えばプロ野球はまず、ドラフトで指名されなければプロになれない。高野連の発表では、今年のドラフト対象となる「令和3年度の2年生部員」は約4万5000人。大学野球も、昨年度の3年生は7000人弱。社会人野球は登録者数を公表していないものの、登録チームは昨年時点で346。1チーム最低20人とすれば、全体で6800人以上はいる計算だ。