脅迫に嫌がらせ…イランは“政府の圧力”にも屈しW杯6大会連続グループリーグ敗退
アジアの強豪が、あと一歩で決勝トーナメント進出を阻まれた。
日本時間30日の米国戦は1点ビハインドで前半を折り返し。後半、DFを1人増やした相手にエースFWタレミらが怒涛の反撃を見せるが、ゴールマウスを割れなかった。アディショナルタイムには、ゴール前の混戦で相手DFに覆い被さられたが、ノーファウル。必死のアピールも聞き入れられず、試合終了を告げるホイッスルが響いた。「引き分けで決勝トーナメント進出」の有利な状況ながら、1点が重くのしかかり、出場6大会連続のグループリーグ敗退である。
3大会連続で指揮を執るケイロス監督のもと、堅守速攻を武器に16強入りを目指したが、今大会は周囲の雑音に何かと悩まされた。イングランドとのグループリーグ初戦では、イラン国内で社会問題化している「反スカーフデモ」への連帯を示し、試合前の国歌斉唱を拒否。同国政府が国際大会での代表にあるまじき行為と問題視した。選手は何らかの圧力を受けたのだろう。25日のウェールズ戦では、国歌を口ずさむ選手が少なくなかった。
政府による圧力は選手の家族にまで及んだ。米CNNテレビによれば、政府直属機関である革命防衛隊が家族に対し、刑務所行きや拷問も辞さないと脅しをかけたという。