ソフトBが見せた超金満球団の真骨頂!FA近藤健介に余裕で7年50億円、その先の大いなる野望

公開日: 更新日:

総資産は約3兆円

 そのソフトバンクは近藤のみならず、このオフ、超大型補強に打って出た。ロッテから抑えの助っ人・オスナ(27)の獲得が決定的。地元メディアによると、年俸は6億円程度だという。さらにDeNAからFA宣言した嶺井博希(31)を4年総額3億円で獲得すると、新助っ人補強にも動いている。

 チーム組織も巨大化する一方だ。11月30日には従来の三軍に加え、来季から四軍の設立を正式発表。三笠GMは会見で「まだまだ拡大するかもしれない」と話していた。ソフトバンクは3A、2Aなどピラミッド構造のメジャー方式を手本にしており、四軍は1A相当。将来的にはさらにその下の五軍(ルーキーリーグ)などの構想まであるというのだ。

■メジャー球団の一つや二つ買える

 ここにきての大補強、球団拡張には孫正義オーナー(65)の意向もあるという。球界に参入した04年から、一貫して「世界一を目指す」と公言。ワールドシリーズ制覇のメジャー球団と日本一球団で「真の世界一決定戦」を行う夢だけではなく、メジャー球団買収の構想も口にしたことがある。

 今年6月の米経済誌「フォーブス」の記事によれば、孫オーナーの総資産は213億ドル(約2兆9000億円)。米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・リポート」の長者番付によると、世界中のスポーツチームのオーナーの中で6位にランクされる。今オフ、千賀やバーランダーを獲得し、昨年から総額1000億円以上のFA補強を行っているメッツのスティーブ・コーエン・オーナーでも7位。いざとなればメジャー球団の一つや二つ買えるくらいの資産を持っている。

 もちろん、球団単体としても大きな稼ぎがある。柱となっているのが観客動員数。今季の1試合平均3万1221人は12球団中3位。2位巨人の3万2199人に肉薄する。

 今年2月に公表された21年度の決算では、売り上げは237億9300万円。コロナの影響で無観客、観客制限があったが、収益は12球団屈指。コロナ前の観客動員に戻りつつある今季の売り上げ増は確実だ。総資産は12球団で断トツの1106億5100万円を誇るといわれている。

 メッツ入りが内定した千賀の年俸6億円が浮くとはいえ、ソフトバンクとすれば近藤に50億円を投資する余裕は十分にあるし、嶺井に3億円を払ったところで、ほとんど誤差の範疇ではないか。

「ソフトバンクは12年に870億円でヤフードーム(現ペイペイドーム)を買収。あくまで親会社に出してもらったカネだが、これ以降、球団の独立採算制でやっていけるようになった。来季は西武山川穂高(31)が国内FA権を取得する見込み。すでに3度の本塁打王を獲得した大砲を取る気満々で、破格の条件提示となるのは間違いない。将来的にはメジャーのスター選手獲得も視野に入れているようです」(球団OB)

 三笠GMはこの日、「近藤は重要なピース」と話し、続けて「ウチは育成しながら大型補強もやるという方針。『目指せ世界一』のスローガンの下、メジャーのチームくらいの深さの組織をつくりたい」と話した。

 ソフトバンクは近年、18年の浅村(楽天)、西(阪神)、今年はメジャー帰りの秋山(広島)など、FA選手の獲得に失敗続きだった。近藤大争奪戦の勝利はそんな過去の失態を帳消しにするだけでなく、もっと大きな夢の実現に向けた第一歩かもしれない。 

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  2. 2

    センバツVで復活!「横浜高校ブランド」の正体 指導体制は「大阪桐蔭以上」と関係者

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  4. 4

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  5. 5

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  1. 6

    巨人・坂本勇人は「最悪の状態」…他球団からも心配される深刻打撃不振の哀れ

  2. 7

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    巨人・坂本勇人2.4億円申告漏れ「けつあな確定申告」トレンド入り…醜聞連発でいよいよ監督手形に致命傷

  5. 10

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が