大関・貴景勝痛恨の黒星…V逸なら「問答無用」で横綱昇進見送り、先場所の成績が“枷”に

公開日: 更新日:

 痛恨の1敗である。

■明生に痛恨の1敗

 今場所、綱とりがかかっている大関貴景勝(27)は初日から3連勝。しかし、4日目に落とし穴が待っていた。立ち合いから明生を突き押しで攻めるも、押し切れず苦戦。前に出たところをかわされ、体を入れ替えられる体勢となり、寄り切られた。

 貴景勝の横綱昇進条件は、先場所に続いての連覇。先場所は11勝4敗と低レベルだったこともあり、角界からは「今場所こそは高いレベルでの優勝が必須ではないか」という声も出ていたものの、過去、大関で連覇しながら横綱に昇進できなかった例は皆無。2場所連続優勝の時点で昇進ともっぱらだ。

 では、賜杯を逃した場合はどうか。歴代横綱は必ずしも、連続優勝をして昇進したわけではない。直近の横綱3人、鶴竜(現親方)、稀勢の里(現二所ノ関親方)、照ノ富士は、いずれも昇進直前の2場所中、優勝はどちらか1回だった。

「貴景勝の場合、どんなに好成績でも優勝できなかった時点で昇進はほぼ無理でしょう。連覇なら問うことができなかった先場所の11勝4敗の成績が響いてくるからです。例えば照ノ富士や稀勢の里らは連覇こそ無理だったが、それまでに積み重ねた過程があった。照ノ富士は序二段から劇的な復活を果たし、平幕と関脇でも優勝するなど、誰もが実力ナンバーワンと認めていた。稀勢の里も、昇進前年は年間最多勝と安定感は抜群だった。そうしたものが貴景勝にはない。今年に入って優勝2回は評価ポイントでも、休場2回でカド番も2回。安定感とは真逆ですからね」とは、ある親方だ。

 先場所11勝の星数に加え、優勝決定戦で平幕相手に変化で勝った先場所の悪印象をチャラにできるのは優勝のみ。逆に言えば、優勝を逃した時点でチャンスは失われるということだ。

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