元阪神・横田慎太郎さん一周忌…姉・真子さん告白「家族全員で泣きじゃくりました」
試合の間、ピッチャーの頭上で白い蝶々がぐるぐる回っていた
生真面目なあまり、先輩に遠慮なくものを言うあたりが天然ぽくて、疎まれるどころか誰からも愛された。誰よりも先にトレーニングを始め、出番のない試合でも誰よりも声を出していた横田さん。どんなに厳しい状況でも、病を克服できると信じて疑わなかった。そんな横田さんにご家族は余命宣告を伝えなかったという。
「一年は本当に早いです。お陰様で皆さんに励まされて日々を過ごしています」
こう話すのは、母・まなみさん。まなみさんは横田さんが亡くなった直後のことをこう振り返った。
「慎太郎が亡くなってすぐ、球団から追悼試合をしてくださると連絡をいただきました。1番辛いときでしたが、喜んで行かせていただき観戦しました。ほんとうに行ってよかったです」
横田さんが亡くなった1週間後の2023年7月25日、甲子園球場での対巨人戦で追悼試合が行われた。
「観戦していて、少し複雑な気持ちにもなりました。こういう(息子が野球をする)姿をまだ見たかったなと。慎太郎に……もっと野球をさせてあげたかったです」
まなみさんは涙で言葉を詰まらせた。この試合、大山悠輔内野手(29)の逆転2ランホームランで阪神は勝利した。大山選手はベンチに下がる前にヘルメットを天に掲げたが、裏でこんなエピソードがあったという。
「あとで聞いたのですが、試合中、ずっとピッチャーの頭の上で白い蝶々がぐるぐる回っていたそうです。ベンチでは『蝶々が舞っているぞ!慎太郎が来てるぞ!』と大騒ぎになっていたそうです」
阪神が日本一を決めたあの日も、会場では横田さんの登場曲「栄光の架け橋」が大合唱され、「横田慎太郎」のタオルが揺れていた。