日本人の飲酒習慣を新型コロナのパンデミックが変えた 日本衛生学会の公式ジャーナル論文
新型コロナウイルスの世界的なパンデミックは、私たちの生活スタイルに大きな変化をもたらしました。飲酒習慣もまた、パンデミックの影響を受けた可能性が指摘されています。実際、コロナ禍においては飲酒の頻度が増え、アルコール依存症の患者が増加した可能性も報告されています。
一方、コロナ禍ではさまざまなイベントが中止されたり、飲食店の時短営業が行われたりと、屋外で飲酒をする機会は減少した可能性があります。そのような中、新型コロナウイルスのパンデミックと飲酒習慣の関連性を考察した研究論文が、日本衛生学会の公式ジャーナルに2024年10月8日付で掲載されました。
高知県の救急医療・広域災害情報システムを用いたこの研究では、2019~2023年の間に、医療機関に救急搬送された10万7013件の症例データが調査対象となりました。このうち、急性アルコール中毒で搬送された1481件のデータを分析し、飲酒習慣との関連性が考察されています。
その結果、救急搬送全体に占める急性アルコール中毒の割合は、2019年で1.8%だったのに対して、2020年は1.3%、2021年および2022年は1.2%と大きく減少しました。2023年には1.3%と、わずかな増加傾向を認めましたが、2019年の水準には戻っていません。