成田美寿々へ前代未聞の助言「グリーンに乗せるな」の根拠はピンポジション…足で稼いだ情報が報われた
ここからならカップまでは上りのストレートライン。安全に2パットのパーで収めました。ピン左4メートルのボミは完璧なタッチでしたが、ボールはカップをかすめ、案の定2.5メートルもオーバー。外せばボギーですが、さすがにしぶとい。このパットを沈めてパーをセーブしたものの、18番を残して2打差は縮まらず「勝負あり」と思いました。
「17番で、あそこに打てと言ってくれたので勝てました」
美寿々ちゃんの優勝インタビューはキャディー冥利に尽きる思いと同時に、優勝できたという安堵感で全身の力が抜けたものです。選手やキャディーがコース攻略の参考にする「ヤーデージブック」の距離やグリーンの傾斜向きは正確とはいえ、グリーンの状態は自分の目で確かめるに越したことはありません。今はグリーンに乗ってボールを転がすことはできませんから、スタート前にコースチェックに行くキャディーもめっきり減りました。足で稼いだ情報が報われた試合でした。
「梅さん、また担いでくださいね」
今年7月、福岡の試合で会った美寿々ちゃんは笑顔でこう言ってくれました。2人のコンビで「復活優勝」ができれば最高です。 =この項おわり