週間読書日記
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中澤日菜子(作家)
11月×日 大学2年生の次女が「ツイッターで見て美味しそうだったから」といって、中央アジアの米料理「プロフ」を夕飯に作ってくれる。ピラフに似た料理で、米を豆やマトンと炒め煮にした料理。「うまいうまい」…
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吉村喜彦(作家)
11月×日 サントリー宣伝部時代にお世話になった岡崎満義さんの新著「葉書に書いた人物スケッチ」(西田書店 880円)を読む。 岡崎さんは「月刊文藝春秋」編集長や「スポーツグラフィックNumbe…
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藤井青銅(作家・脚本家)
10月×日 先日開催した「あの素晴しい歌をもう一度」コンサートのアフタートークに、ステージ台本を書いた作家として出席。コンサートのアフタートークは珍しい。 10月×日 藤井一至著「大地の五億年~…
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志川節子(作家)
10月×日 猛暑も落ち着いてしばらく経ち、気持ちのよい季節が到来した。が、どうもいま一つ調子が出ない。机に向かっても集中力が続かず、知らぬうちに溜息をついている。 パソコン画面に、秋バテなる言…
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髙橋秀実(ノンフィクション作家)
10月×日 連日、私は「おやじはニーチェ」(新潮社 来年1月発刊予定)のゲラを推敲している。これは認知症の父と過ごした日々をつづった私的ノンフィクションで「認知症とは何なのか?」と考察する1冊なのだが…
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亀山郁夫(名古屋外国語大学学長)
10月×日 1963年11月、テキサス州ダラスで暗殺されたJFKが、私の時ならぬブームとなって約4か月が経つ。この間、JFKと関係があったとされるMM(マリリン・モンロー)の「魅力」にも目覚めてしまっ…
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中野純(闇案内人)
9月×日 夏は闇歩きガイドの繁忙期で、いろんな人を夜の山へ案内したが、秋雨前線がやってきて一段落。桔梗色のカバーが印象的な谷口義明・渡部潤一・畑英利著「天文学者とめぐる宮沢賢治の宇宙 イーハトーブから…
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稲葉稔(作家)
9月×日 1行どころか1字も書けず、仕事場から退散。自宅に帰ってごろりとなり、結城真一郎著「#真相をお話しします」(新潮社 1705円)をぱらりと開く。現代推理だ。SNSやスマホを使った仕掛けや、布石…
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本橋信宏(ノンフィクション作家)
9月×日 日頃、韓国に配慮した意見を言うと、「反日」と非難する保守政治家が、どういうわけか旧統一教会の話題が出ると押し黙る。韓国人教祖を「お父様」と呼び、その夫人を「マザームーン!」と絶叫する自民党議…
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北尾トロ(ノンフィクション作家)
8月×日 酷暑が盛りを過ぎ、朝晩が涼しくなってきた。趣味でやっている野菜作りも、トマトやキュウリが枯れてきて、元気なのはナスとオクラくらいだが、収穫量はともかく畑にいるだけで気分がいい。コロナ禍で家に…
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森達也(映画監督)
8月×日 芥川賞を受賞した「おいしいごはんが食べられますように」(講談社 1540円)を読む。著者は高瀬隼子。大きな物語ではない。ごく普通の会社。ごく普通の社員たち。メインは20代後半の男性社員と2人…
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竹倉史人(人類学者)
8月×日 警察署に国際免許証を取りに行く。次回作「続・土偶を読む(仮題)」の取材で、来週からヨーロッパ各地を訪れる。「土偶を読む」(晶文社)では縄文時代の土偶が「植物の仮面を装着した精霊像である」とい…
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黒木亮(作家)
7月×日 久しぶりのスコットランド旅行で、ネス湖をみる。人里離れた山奥にある霧がかかった湖で、何かがいても全然おかしくない雰囲気。家族も職業も捨て、湖畔に小屋を建て、1991年からネッシーを捜し続けて…
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一ノ瀬俊也(埼玉大学教養学部教授)
8月×日 陸上自衛隊が舞台のテレビドラマを観ている。いわゆる落ちこぼれ男子たちの青春物語で、女性はというと「美人」と呼ばれる教官が1人。彼女は隊員たちの成長に一定の役割を果たすが、しょせんは「紅一点」…
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早見和真(作家)
7月×日 2008年に東京都新宿区で小説家としてデビューして、地方を転々としたあと、この春、およそ13年ぶりに東京に戻って来た。 やれ「水がまずい」だの「空気が汚い」だのと言うつもりはないが、…
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沢野ひとし(イラストレーター・エッセイスト)
7月×日 この数年視力の衰えが加速している。白内障の手術を受けたが、別の目の病気が忍び込んできた。70代の半ばを過ぎるとやはり足腰も弱り、不平不満の日々。 7月×日 響林社の大活字本を愛読してい…
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山上たつひこ(漫画家)
7月×日 「ダダ」運動の創始者フーゴ・バルの日記「時代からの逃走」(みすず書房 現在は絶版)を何十年ぶりかで読む。言葉と像の変革運動をつづった書物に日本人の姿がちらりと見える。 1914年ミュ…
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鏑木蓮(作家)
7月×日 今年は私の住む京都以外でも、連続猛暑日が続いている。心療内科医本宮慶太郎シリーズ第2弾「見えない階」(潮出版 880円)が現在書店に並び、最新作「見習医(けんしゅうい)ワトソンの追究」(講談…
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宮内悠介(作家)
6月×日 難民支援のための募金をしたところ、国連UNHCR協会からめちゃくちゃレターが来るようになった。そのなかにひとつ、「With You」6月号なるニュースレターがあった。読んでみると興味深い。こ…
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あさのあつこ(作家)
6月×日 5月の終わりから6月の初めにかけて、わたしの住む中国山地近くの町は、田植えの季節を迎える。田圃に水が入り、小さな苗が植えられ、ツバメたちが鳴き交わしながら舞い飛ぶ。 一面に水の入った…