土用の丑の日に「環境」を考える編

公開日: 更新日:

■「ねずみに支配された島」ウィリアム・ソウルゼンバーグ著 野中香方子訳

 アラスカの西に位置するキスカ島。第2次世界大戦中、日米の戦いが行われたこの島で、今なお続いている戦いがある。原因となったのは、戦時中に軍艦から島に上陸した数匹のネズミ。島という閉鎖された空間に解き放たれた外来生物が、「エトロフウミスズメ」などの島固有の生物に襲いかかり、絶滅の危機に追い込んでいるのだ。

 そして今、自然保護のスペシャリストたちは、本来の生態系を取り戻すべく毒餌をまいてネズミを“殺戮”しようとしている。ニュージーランドの飛べないオウム「カカポ」や、カリフォルニア沖アナカパ島の「ウミスズメ」など絶滅の危機に瀕している動物たちと、外来生物を駆除しようとする人間の行いを通じ、自然保護の意義を問うノンフィクション。
(文藝春秋 1800円)

■「植物は人類最強の相棒である」田中修著

 ポンカンと清見オレンジの交配で生まれた「デコポン」や、巨峰とマスカットを両親に持つ「ピオーネ」、そしてダイコンにキャベツを“接ぎ木”して誕生した「キャベコン」など、植物の持つ適応力の強さを利用し、人間は多くの品種改良を行ってきた。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ