おもしろ本屋と出合う本特集
「桜風堂ものがたり」村山早紀著
本を愛し、書店の仕事を愛する人々を登場人物につづられた長編小説。
一整は、亡き母が生まれ育った風早町の老舗百貨店内に店を構える銀河堂書店で文庫を担当する書店員。ある日、一整に追いかけられた万引中学生が車にはねられてしまう。いじめを受けていた中学生が万引を強要されていたことが分かり、ネット上で一整への非難が集中。店や百貨店への嫌がらせ電話が鳴りやまず、一整は大好きだった書店員の仕事を辞めざるを得なくなる。10年間、書店の仕事一筋に生きてきた一整は、ふと思い立ち、ブログを通じて交流してきた山あいの小さな町、桜野町で明治時代から続く桜風堂書店の店主を訪ねる旅に出る。そして、町に到着した一整は、会いたかった桜風堂の店主が入院していることを知る――。(PHP研究所 1600円+税)