おもしろ本屋と出合う本特集

公開日: 更新日:

「わたしの小さな古本屋」田中美穂著

 岡山県倉敷市で小さな古本屋を一人で切り盛りする女性店主が、その日常をつづったエッセー。

 仕事を辞めたその日に、古本屋を開くことを決めた著者は、その足で不動産屋を巡り店舗を探し始める。見よう見まねで、21歳で一国一城のあるじになったものの、売り上げは伸びず、早朝や深夜のアルバイトが必要だった。しかし、父の死を転機に、本腰を入れて仕事に向き合うことで次第に軌道に乗り始めたという。やがて人とのつながりから、さまざまなイベントを店で行うようになり、気が付けば20年を超える歳月が過ぎていた。大金も動かず、派手さもない古本屋の仕事だが、つづられる一期一会の客との出会いなどから、働くことの喜びや生きることの本質について改めて考えさせてくれる。(筑摩書房 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった