ベートーベン騒動 音楽家をゴーストに走らせる“極貧生活”
18年間もバレなかったのが奇跡の自称作曲家、佐村河内守(50)。そのゴーストライターだった桐朋学園大非常勤講師の新垣隆氏(43、作曲専攻)も、告白するのは勇気がいっただろうが、ペテンの片棒を担いだことに変わりはない。
発売中の週刊文春によると、96年夏、新垣氏が佐村河内から自作の曲を「オーケストラ用の楽曲として仕上げてくれ」と持ちかけられたのが、ゆがんだアンサンブルの始まりで、謝礼はわずか数万円だったという。音大関係者が明かす。
「受け持つコマ数にもよりますが、講師だけの収入なら年100万円台もザラです。街の音楽教室などでアルバイトをしないと、とても食っていけない。男性の場合は結婚もままならないし、小遣い稼ぎで名の知れた音楽家の“お手伝い”をすることもある。新垣氏も最初はアルバイト感覚だったんでしょう」
私立の音大は卒業までの4年間で、学費やレッスン料などで1000万円近くかかるともいわれるが、卒業後に“プロ”として食えるのは1割にも満たないそうだ。
昨年、無修整ビデオに出演して逮捕された当時27歳の女も東京芸大声楽科卒で、都内の小学校で音楽を教える講師だった。