「いいことない」福田監督が白石隼也に送った強烈メッセージ
その映画が福田雄一脚本・監督の「大洗にも星はふるなり」で、役者としての演技は初仕事。ところが、監督の福田雄一氏は長ゼリフのうえ長回しばかりで「今にして思えば、当時の僕に同情したくなる」ほどの過酷な撮影だった。
「主演の山田孝之さんをはじめ、共演者の方々は皆、福田さんの映画の常連さんばかり。そんな方々の演技を間近で見て、僕は『また福田作品に出演し、この人たちの中に入りたい』と、強く願うようになったんです。『私の嫌いな探偵』に出演できて念願がかないました」
当時はまだ何もできないに等しかった新人俳優。しかし、今は俳優として5年以上頑張ってきた自負がある。やや現実離れしたアホらしさが求められる福田作品に出演するに当たって、役づくりを提案したという。
「福田作品独特のアホらしさをどれだけ本気で演じるかが、僕は求められていると思います。今回は、福田さんに自分の成長を見てほしいという気持ちもありましたから、流平役を演じるために髪形をなるべくモサくして、時計も500円くらいで買える安物をはめたいって提案させてもらったんです。それが採用され、とてもうれしいです」