安田美沙子「壁にぶつかるたびに和田アキ子さんがアドバイスを」

公開日: 更新日:

 京都駅でのスカウトから3年目、当時のわたしはマネジャーから「取りあえず5年頑張ろう」と言われ、オーディションに営業と無我夢中で走り回っていたんですけど、もともと人前に出ることすら苦手なのですから、緊張の連続。自分には芸能界は向いてないんじゃないか、無理なんじゃないかと悩み、いたたまれない気持ちになることが少なくありませんでした。そんな胸の奥まで、アッコさんは一瞬で見透かして、わかってくれたんですね。それでまた、涙があふれ出て……。公私ともに親しくしていただくようになったのは、それからです。

 アッコさんから学ばせてもらったのは、初心ということだと思っています。なぜ、この仕事をしているのか、仕事をすることによって、どうしたいのか。駆け出しのわたしと同じ問いを常にご自身に突きつけている。コンサートの前は、ガタガタ震えて、貫禄のステージからは想像できないくらい、緊張し、打ち震えているんですね。それは、お客さまに喜んでいただくにはどうすればいいのか極限まで考えて、全身全霊を注いでいるからなのでしょう。

 だからこそ、わたしの心が定まっていないと、すぐに見破ってしまう。「おまえは中途半端やねん、何がしたいんか」って、何度言ってもらったことか。思いの丈をぶつけると、「ほな、頑張れ!」って。週刊誌にわたしの記事が出て、悩んでいたときは「読んだ。けど大丈夫や」って真っ先に電話をくださいました。何度も壁にぶつかり、何度もやめようと思いながら、続けてこられたのは、アッコさんに見守っていただいたからです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド