高校野球をテーマに漫画を描きながら痛々しくて甲子園を楽しめない
高校野球で苦しい思いをしても、卒業後に野球界で生き残る人間は数少ない。野球しか知らず、野球をやめた後に道を踏み外すような人もいる。高校野球は、決して「感動」や「青春」なんて美しい言葉ではくくれない。
全国をひとつのピラミッドにして優勝を競い合わせる「甲子園」があるからこそ、日本のトッププロのレベルを上げていることは間違いない。それは分かっていても、どうしても甲子園は素直には楽しめない。
▽もりたか・ゆうじ 1963年、長野県生まれ。漫画家・コージィ城倉の原作者としてのペンネーム。89年「男と女のおかしなストーリー」でデビュー。筆者原作の「グラゼニ」(「モーニング」連載中)は「お金」をテーマにした野球漫画。タイトルは、主人公・凡田夏之介の座右の銘である「グラウンドには銭が埋まっている」が由来。